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書評

中国人から儲ける本

著者:チャイナ・コンシェルジュ
出版社:宝島社
金額:1,300円

 今年の7月に、中国人の個人観光客向け査証の発給要件が緩和されることになっている。今まで増え続けている中国人観光客はこれからは更に増えてくると思われる。そして周知の通り、中国人観光客による日本国内商品の平均購入額はすでに主要国のトップとなっている。これからの日本経済にとって、観光産業は1つの活路になる中に、経済成長が著しい中国からの観光客をいかに増やすかがカギになってくると思われる。

 中国人観光客向けに、観光産業を通じてどのようなサービスを提供し、どのように「儲ける」かといった視点で書かれているのが本書である。そして、日中のビジネス交流が活発になれば、結果的に両国が豊かになるため、日本のインバウンド関係者は中国人観光客を知る必要があると筆者は主張している。本書は5章構成で、127ページとなっている。まず第一章はイントロダクションとして中国人富裕層の年収や、決済方法など訪日中国人観光客の基本的な情報を紹介した上で、第二章と第三章は中国人観光客の観光ルート、食事の嗜好や、よく売れるアイテムなどを羅列している。第四章と第五章では、具体的な集客やクレーム処理などのテクニックを述べ、実際に中国人観光客をターゲットとして形成されたいくつの新しいビジネスモデルとその可能性を紹介している。最後の付録に中国人を引き寄せるための「招福ポップ」の中国語と簡単な中国語会話が書かれている。

 小売、飲食、宿泊、交通など様々な業界の情報とテクニックを網羅してあるのは本書の特徴である。また、本書はタイトル通り、中国人から儲けるためのマニュアルであり、様々のお得情報やテクニックなどが掲載されている。確かに、このような情報は即効効果が期待できるが、お得情報やテクニックばかり目を向くと、「心を込めてサービスする」という日本人の大きな売りを粗末にする恐れがあるのではないかと考える。多くの中国人観光客は日本のおもてなしが好きで日本に来ている。テクニックは表に出しすぎると、日本人のホスピタリティが見えづらくなり、観光客ががっかりするのであろう。

  今後、日本国内においても、日本と諸外国の間でも、中国観光客の争奪戦は必然的に行われる。 一歩先の話であるが、 インバウンド関係者は中国人観光客の消費パターンを熟知する上で、銀聯カードに加盟するなどの誘導手段は当たり前のことになった時に、競合に真似されない優位性を築く必要があると考える。

  しかしやはり本書をこれから中国人観光客を相手にビジネスを展開しようとする初心者の方にお勧めしたい。各論を通じて訪日中国観光客の基本的な特徴を把握できるほか、即効に使える情報も多く掲載されているため、試してみて損はないであろう。